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日韓万華鏡

昭和の飲み物

最近はあまり見かけないけど昔よく見たもの。粉末のジュースガラス瓶入りドリンク。栓抜きで開けなければならないドリンクは昭和の香りがいっぱい!


粉末ジュース系ドリンク

渡辺の粉末コーヒーとミルメーク・コーヒー
その昔、駄菓子屋には粉末ジュースの他に「渡辺の粉末コーヒー」という牛乳に溶かすとコーヒー牛乳が出来上がる粉を売っていた。
子供の頃、冬になると母がホットミルクに渡辺粉末コーヒーを溶かしてくれたので、私は更にそこにチョコレートを溶かし、モカジャバにして飲むという凝ったことをしていた。
しかし、その発売元の渡辺製菓はカネボウ食品に吸収され、そのカネボウ食品もクラシエフーズに変わっていった。粉末コーヒーは缶コーヒーやペットボトルの普及により姿を消していった。
もはや忘れ去られた味になったか!?…と思ったら、似たようなものがあった。給食でたまに出てきたミルメークだ。粉を牛乳に溶かしてコーヒー牛乳にするというコンセプトがそっくり。でも、色はコーヒー牛乳の泥道の水たまりみたいなブラウン(昔は路地とかは舗装されていない泥の道で雨が降ると水たまりがそこここに出来ていた。それを傘の先っぽでよく掻き回すと水たまりの泥水がコーヒー牛乳みたいになったので、「コーヒー牛乳〜!♪」…と雨の日には水たまりをかき回して遊んでいた)にはならず、豆乳っぽいベージュ色になる。味はかなり甘い!ミルメークは子供向けの飲み物というだけではなく、元々が給食で子供たちが牛乳を残すので牛乳を残さず飲めてなおかつカルシウムをより摂取できるようにとの学校給食現場からの要望で開発された経緯のある小学校給食のための粉末ドリンクだったからだ。
大人が飲む場合はビターチョコとセットだと美味しく頂ける。なお、減糖タイプも開発されているので、もしあればそっちをおすすめしたい。
粉末ジュース「メロン」
昔の渡辺製菓で製造されていたものにメロンなどの粉末ジュースがあった。水で溶かして飲むものだが、袋から直接舐めて味わう子もいた。そういうジュースはまぁ決してうまいものではあるまい。渡辺製菓がカネボウ食品を経てクラシエフーズとなった現在、作っているメーカーは駄菓子メーカーだけである。写真のものは名古屋に本社を置き、工場が岐阜県関市にある松山製菓のもの。無果汁で合成着色料と香料で味をつけているのでお味の方は大体想像がつくと思う。
粉末ソーダ
同じ松山製菓から粉末ジュースのメロンソーダバージョンも出ている。上のメロンジュースとは異なり、シュワ〜っと泡も出る。これを見て同じく駄菓子屋で売っているバニラアイスを盛り付けて1970年代の喫茶店でよく女の子が頼んでいたクリームソーダを再現してみた。元々の粉末もこちらのソーダの方が美味かったのだが、アイスを乗っけてみたら、なかなかの仕上がりとなった。駄菓子屋で粉末ソーダを見つけたら、バニラアイスもセットで買うことをおすすめしたい。

ボトル系ドリンク

コカ・コーラ
コンビニでもスーパーでもペットボトルのものが幅をきかせて190mlのコカコーラ瓶はなかなか見かけない。昔は駄菓子屋や食料品店の店頭でよく売っていたし、瓶がリターナブル瓶でお店に空き瓶を持っていくと190mlは1円、500mlは5円、1リットルは10円くれた気がする。子供の頃、お財布の中の小銭が微妙に足りないときに公園の茂みをゴソゴソ探して空き瓶を見つけて水道で洗って持っていったこともあったな…。
ところが今でもあるところにはある。
懐かしの瓶コーラ自動販売機をおいている店だ。
写真のものは愛知県犬山市の日本ゲーム博物館にあったもの。
台場一丁目商店街にもある。バッティングセンターやボウリング場、地方の一部駄菓子屋などにもあるようだ。以前は横浜の東急ハンズにもあったが、モアーズ移転の際に消えてしまった。

この瓶コーラ、瓶のデザインが昭和のままなだけではない。蓋がスクリューキャップではなく昔ながらの王冠なのだ。従って栓抜きが必要。自動販売機にも栓抜き用の穴があるのだが、平成生まれの若い世代だと栓抜きの使い方、知らない人もいるかも…。
こういう瓶を持って行ってみたい場所がある。それは大井川鉄道とかいすみ鉄道とかボックス席のある昔の客車やディーゼルカーの列車の車内!ボックス席の窓の下に実は栓抜きがある。旅の途中でその栓抜きでシュポン!…と瓶を開けてラッパ飲みしてみたいところだ。
バヤリースオレンジジュース
親と外食した食堂が居酒屋を兼ねているようなとこだと、大人は早速ビールか何かを頼んで飲み始めるが、そういうとき子供にあてがわれるのは何故か決まってバヤリースのオレンジジュースだった。ファンタと違うところは炭酸が入ってないこととオレンジ果汁が使われているところだ。私は家族旅行で伊豆の波勝崎に行ったとき、土産物屋で買ってもらったこのジュースを野猿に略奪された嫌な思い出もあったりする。
ところで、この瓶ジュース、今でも酒屋さんに行けば買うことができる。しかも昔通り蓋は王冠。昭和を感じさせてくれる貴重な飲み物の一つだ。
コーヒー牛乳
銭湯の風呂上がりの定番といえば、何といってもコーヒー牛乳。
ただし、法律上は2003年の法改正で生乳100%のいわゆる白牛乳以外に「牛乳」という名称を使ってはいけないことになってしまったため、牛乳会社名に「コーヒー」、「珈琲」、「カフェオーレ」、「カフェラテ」などを組み合わせた商品名となり、「乳飲料」という表示が添えられるパターンとなった。
あともう一つ、昔と変わったところは蓋だ。
昔は丸いボール紙の蓋が瓶の口にしてあって、上から色付き・透明のビニールがかかっていたが、現在はほとんどポリエチレンのキャップにとって変わられている。
ちっちゃいアイスピックみたいな蓋開けでボール紙の蓋を刺して取る必要がなく手軽にはなったけど、レトロ感はちょっと薄れてしまった。
ラムネ
夏祭りの縁日になると決まって登場する炭酸飲料「ラムネ」。
そのルーツは神戸に入ってきたレモネードである。レモネードがなまってラムネ。ビンの上から2/5の位置ににビー玉が入っていて、ラムネを入れて瞬時に瓶を逆にすると炭酸の圧力でビー玉が口の部分に押し付けられて蓋になるようにできている。飲む場合は凸型の玉押しをビー玉に強く押し付けると線を開けられるが、その際にジュワ〜〜!っとラムネが溢れ出てくるので取り扱いには注意が必要。無色透明で砂糖で味付けをされた炭酸水にはラムネの他に「サイダー」があるが、元々はりんご風味のフレーバーのものが「サイダー」、レモン風味のものが「ラムネ」だった。そしてサイダーのほうが若干高級品とされていた。のちに、ビー玉で栓をしてあるのがラムネ、王冠やスクリューキャップで線をしてあるものがサイダーと呼ばれるように変化していった。ちなみに「サイダー」はりんごのお酒「シードル酒」に由来する呼び方。
その他のドリンク
脱脂粉乳
私が小学校に上がる前年、脱脂粉乳は廃止となった。なので、私はこれまでに脱脂粉乳は飲んだことがなかった。御徒町の給食料理専門店「給食当番」にはメニューにしっかりあったので、飲んでみた。
やってきたのは暖かい脱脂粉乳だ。一口飲んで何の味か直ぐにわかった。中華料理のクリーム煮に使われるスキムミルクの味なのだ。
娘も小学校のときに学校給食で昔の給食を食べようという企画があり、飲んだことがあった。娘によると「蜂蜜を入れると旨い」とのことだったが、確かにそういう味だ。
そして、冷めてくると癖のある変なにおいと味が出てくる。
どうも先輩方は教室にやってくる頃に冷めて味だガタ落ちしたものを飲まれたようだ…という結論に達した。