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日韓万華鏡

エレメカを探せ! 2

台場一丁目商店街
一丁目プレイランド

エレメカとはアーケードゲームの中でTVゲームのようなデジタルなものではなく機械仕掛けのアナログなマシンのことをいいます。
デパートの屋上の華といえば大型遊具ですが、もう一つ忘れてはいけないデパートの屋上遊園地を彩る存在がこのエレメカでした。
東京、いや関東甲信越地域で最もエレメカが充実した施設は新橋からゆりかもめに乗ってお台場海浜公園駅で下車、徒歩2分のところに位置するショッピングセンター「デックス東京ビーチ4階の台場一丁目商店街「一丁目プレイランド」でしょう。
ここは一言でいえば昭和のゲームセンターそのものです。射的コーナーは18歳未満禁止ですが、それ以外のところはお祖父さんお祖母さんとお孫さんが一緒に遊べる稀有な施設ではないでしょうか?
昭和20年代生まれの若いお祖父さん、お祖母さんはデパートの屋上のゲームで遊んだ最初の世代。
映画「ALWAYS・三丁目の夕日」の子供たちと同世代です。
エレメカの原点の一つともいえる名機「ミニドライブ」がデビューしたのは1959年。まさに「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の舞台となった時代です。
おめかしをして半ズボンにブレザー姿で気取って、よそいき服を着た両親と共にデパートに行き、お昼はお子様ランチで屋上で最初期のエレメカで遊ばれた方、いらっしゃいますよねいらっしゃいますよね。
インベーダーゲームが出てくる前はデパートの屋上ゲームといえば、エレメカ!
そんなエレメカがかなりまとまって配置されています。
人がプレイしているものを横から撮影するわけにはいかないので、自分で並んでプレイしたものや人がいなかったゲーム機だけとりあえず撮ってみました。

エレメカ
クレーンゲーム機
1985年にUFOキャッチャーが出てきて、景品がぬいぐるみになるという画期的なことが起こったが、その前の時代は3本爪のアームでお菓子を取るタイプだった。
その前の世代で1970年代前半ぐらいまでよく見かけたスタイルがこれである。駄菓子屋ゲーム博物館にあったものと同種のバケット式クレーンで、こちらはレバー操作でつかむ/はなすと回るを選択出来る。景品は1960年代〜70年代初頭の頃は飴玉かラムネが定番。新宿・小田急百貨店のは黄色のセロハンにオレンジの文字の包み紙だったライオンバターボールだった。大抵1,2個しか取れなかったのだがある日ガバッと取れてしまった。当時私は小学1年生。
いい気になった私は翌日友達と遊ぶとき、戦利品をシャツの胸ポケットに入れて出かけ、友達に武勇伝を話しながらポケットのキャンディーを取り出した。
友人数名は包みを開けるや異口同音に小さな悲鳴を上げた。
「げっ!なめかけでやんの!」「きゃぁ、なめかけ!」「うわぁ〜〜なめかけぇ!」
「え?なめかけのなんか持って来てないってば!」
よく考えたら、胸ポケットに入れていたから、私の体温で溶けていたのだった。
今考えれば、若気の至りならぬ馬鹿気の至りだったか…。
そんな想い出を思い出しつつ久々にお菓子取りのクレーンゲームをやってみた。
結果は揚げ餅の駄菓子「餅太郎」一個だった。
ミニドライブ
1959年に関西精機製作所が開発したドライブゲームの元祖ともいえるもので、ベルトに描かれた道路上を走るクルマを自分で操縦できるということで、まだ自家用車が普及していなかった時代だっただけにクルマの運転をしてみたいと思っていた大人たちの人気を集めてしまった。
そして家庭用エアコンと共に自家用車が普及するのに伴って、ミニドライブに熱中するのは大人たちから子供たちへと移行していった。
アーケードゲーム機中興の祖ともいえる名作で、これが開発される以前はデパートの屋上ゲーム機といえば、上のクレーンゲームか、子供用のパチンコ台、スマートボール、おみくじ販売機といったラインナップだった。
このミニドライブには前期形と後期形があり、今残っているものの大半は後期形。得点版が鹿児島、福岡、京都、東京、札幌が得点と共に柄杓形に配列されたもので中のクルマはラジコンでもよくみかけたメイヤーズマンクスバギーを模したFRP製のボディーでドライバーのカップルが乗っているもの。
そしてまず見ることのできない前期形は得点パネルがタイム、スピード、点数が表示されるものか北九州、広島、大阪、名古屋、東京、札幌が柄杓形に配列されたものでクルマはバンダイ製・ブリキの三菱ウイリスジープ(色は確かカーキグリーン!)だった。
最後にミニドライブを運転したのは1980年代初頭のマリンタワーのゲームコーナーだった。
まだあったんだ!と感激しながらやってみたらパーフェクトで、ボーナスポイントで2回プレーできた。
そんな想い出のあるミニドライブ。久々にハンドルを握ってみた。
古くて緩んでいるのか、ハンドルの遊びが大きい。
ガラガラ!ガラガラ!っと派手にハンドルを回さないとバギーは思うように進んでくれない。
娘を連れて台場一丁目商店街まで来たのだが、横で見ていた娘が、悪戦苦闘しているのに「すっご〜い。経験者は違うね!上手いよ。」だって。
そういえば、どうやって遊んでいいのか分からなくてじっと見ていた小学生ぐらいの男の子も私の運転する様子を見て驚いた表情でじっと見ていたっけ…。
アンタッチャブル
関西精機製作所がミニドライブのシステムやパーツを利用して1973年に開発したミニドライブの派生形ゲーム。
ギャングの乗った1930年代風クライスラーを1929年式A型フォードのパトカーで追跡しながらハンドルのj左に付いたピストルを「逮捕する〜〜!」とバンバン撃つというもの。いわば、ドライブゲームとシューティングゲームのいいとこどりだ。
これは日本より外国でウケたらしい。そもそもオーストラリア人バイヤーにミニドライブのシステムを使って別のゲームを開発してくれといわれて作ったものだし。
因みにこの凝ったクルマは後期形ミニドライブ同様FRP製だ。
ピンボール
斜めに傾斜した盤面で3cm弱の鉄球をブランジャーと呼ばれるバネではじいて送り出し、それが盤のあちらこちらに設置されたバンパーで弾かれながら、キン、コキンと景気のよい音を立てて得点を上げながら落ちてきて、一番下のアウトホールに入る前に左右のフリッパーでバンパーに打ち返して、アウトホールにボールが入ってボールデッドとなるまで点数を稼ぐというゲームである。金属のボールを弾いて打ち返すだけのゲームなのに何だかやっているうちに熱くなってくる。
どっちの手にはいっているか
当てもの系のゲームである。1970年代後半か80年代初頭に開発されたゲームと思われる。全身ピンクのゴリラの親子ぬいぐるみ「ゴリたん」がカップの中にリンゴを隠し、どっちの手に入っているか?と当てさせるゲーム。当たるとお菓子の景品が出るが、ハズレることが多いせいか、「イカサマだろ!」という怨嗟の声をしばしば耳にする。
確率系のゲームは難しい。運不運がものすごく左右するし。
おしゃべりオーム
誰かが日本一有名なオウムとか言っていたゲームだ。
1981年にカトウ製作所が開発した。
「オハヨ!オハヨ!コンニチハ!コンニチハ!」といって客寄せをする。ゲームはルーレットをまわし、上下左右4か所の当たりでランプが止まったらガシャポンのようなカプセルに入った景品が出るというものだが、当たる確率は極めて低い。当てもの系ゲームの中でも当たりが出る可能性が最も低いもののひとつかもしれない。なので、実は私、チャレンジはしていない。当たりの箇所がもっと多ければなぁ…。
国盗合戦
これはルーレットゲームの一種。ルーレットを回して数字を出し、数字が出た分だけ国を盗っていく。お殿様は出た目の数の2倍進む。お姫様は出た目通り進む。坊主は出た目の数だけ戻る。ドクロはゲームオーバー。持ち点となる国の数が0になるか、どくろを引き当てるとゲームオーバー。47都道府県全てを制覇するとゲームクリアとなる。これ、駄菓子屋ゲーム博物館にもあったなぁ…。
子供向けパチンコ台
子供用のパチンコ台で当然お金は賭けない。
お金を入れて出て来た球をチンジャラジャラと打ち込んで、得点板が300点に達すると景品がもらえるようになっている。
駄菓子屋でもデパートの屋上でも結構あって、クレーンゲーム共々ミニドライブが登場するまで定番のゲーム機だった。
ポルル君の旅行
駄菓子屋ゲーム博物館にあったポルル君の旅行、台場一丁目商店街にもあった。但し、ここのはよく見るとクルマがオリジナルのピンクのワーゲン・カブリオレではなく、ミニドライブ後期形から流用したとみられるFRP製のメイヤーズマンクスバギーになっている。
小さな子供用に開発されただけあってハンドルの位置、低いなぁ。大きいお友達はヤンキーみたいにウンコ座りしないと運転できないのだった。
SEGAスピードサッカー
1990年代初頭にセガが開発したサッカーゲーム。蜂の巣状に一杯開いた穴に仕掛けられたバネでボールを送りだし、相手ゴールにシュートする。姉妹品としてバスケットボールやホッケーもある。
昼飯をかけてこれで熱いバトルを行った末、負けてランチをおごらされた苦い経験のある方、いらっしゃるのではないだろうか!?
ギャラクシアン
こちらはエレメカではなくテレビゲーム。デパートの屋上ではなく、1980年代のゲームセンターや喫茶店でよく見かけた。一番最初はスペースインベーダーで、その後、ギャラクシアンや平安京エイリアン、対戦型麻雀ゲームなど様々なバリエーションが作られた。実は台場一丁目商店街「一丁目プレイランド」はこっちのゲーム機の方が多い。しかし、このコーナーはデパートの屋上に昔あった懐かしのゲーム機を探せ!ってテーマなのでここではこれだけを紹介しておく。
ミスターバットマン
アーケードゲーム版の野球盤ともいえるゲーム。
ノックをするみたいにバットの前にボールがふわふわ浮かんで出てくるのでそれをバットを思いっきり振ってバッティングをする。左右の下側のホールはアウト。下側中央部のホールはシングルヒット。その上の穴3つはシングルヒット、その上はツーベースヒット、その上はスリーベースヒット。
そして上3つの穴はホームランだ。
これリバイバルでまた作るのなら、バッターの顔を柳沢慎吾にし、プレイボールのときのサイレン音も「ピッチャー、セットポジションから投げました!」っていう実況中継も柳沢慎吾のものまねのヤツを流れるようにしたら、思いっきり笑えるゲームになるのにな。
誰かそうやって徹底的にふざけたゲーム、作らないかな!?
…などと詰まらないことをつい考えてしまった。

さて、この台場一丁目商店街一丁目プレイランドの魅力は昔懐かしいアーケードゲームに出逢えるだけではない。インテリアもなかなか凄いのだ。
次のページではそのインテリアを見てみよう!