本文へスキップ

日韓万華鏡

おまけ(グリコ編)

個人的な味の好みなのですが、キャラメルではちょっと香ばしいグリコが好きでした。そしてグリコのもう一つの魅力はおまけのクルマ。コレクションで集めていたのですが、小学校5,6年の頃大掃除で親に大切なコレクションを捨てられてしまいました。泣いて抗議したら、アーノルドのNゲージカーを買ってくれましたが、失われたおもちゃは帰ってきません…。

グリコ
グリコの初代社長・江崎利一がチフスにかかった長男が牡蠣の煮汁で回復したところから、その成分であるグリコーゲンを含んだキャラメルを開発した。それが1921年に登場したグリコである。グリコは1921年に登場。学校帰りに校門でじゃんけんをして勝ったら、負けた人にランドセルを持たせて、チョキで勝ったら「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」、パーで勝ったら「パ・イ・ナ・ツ・プ・ル」、グーで勝ったら「グ・リ・コ」と子供たちの日常生活にまで深く浸透していた人気のキャラメルだ。
その人気の理由の一つがおまけこと「グリコのおもちゃ」。
絵カードでスタートし、1927年から陶製豆玩具、木製豆玩具、紙製玩具、大蔵省大阪造幣局製造のメダルなどが1934年まで付き、1935年からは日本の軍国化が進んだ影響で内容がミリタリー風となり、終戦後はモノ不足から蝋石やゴム飛びのゴム紐、消しゴム、クレヨンなどやたらに実用的なものが入れられ、朝鮮戦争による特需景気で日本経済が復興してくるとセルロイド製や木製の玩具が入るようになり、1950年代の終わりぐらいから スチロールやポリエチレンなどのプラスチックで出来た玩具へと代わっていきました。
1967年にグリコが1個10円から20円に値上げ、キャラメルの粒が大きくなり、付いている「グリコのおもちゃ」も男の子用と女の子用に分けられ、細密でリアル、サイズもちょっぴり大きくなりました。
逆に言うと、10円時代のグリコのおまけは一回り小さくてデザインもその分粗雑だったことになる。
あの頃のおまけで手元に残っていたのはパトカーぐらい。あとはほとんど捨てられてしまった。
ネットオークションで最近集めていたら、この10円時代のグリコのおまけが小さめでディティールが荒っぽいことに気が付いた。この一回り小さいグリコのおまけは同じころ集めていたコビトおまけガムのものによく似ている。コビトおまけガムはパッケージがパトカーや救急車や消防車のプロフィールイラストの入ったもので、おまけ部分が赤箱。中にバナナ味で20mm×20mm×10mmぐらいの風船ガムが入った玩具菓子だった。20円時代以降のグリコのクルマはだいたい1/120スケールぐらいのサイズだが、古いグリコのクルマは1/160ぐらいのサイズ。20円時代以降のものはスチロール製が多いが、10円時代のものとコビトおまけガムのおまけはほぼ同じサイズでポリエチレン製が多い。もしかしたら、オークションで集めたおまけのクルマの中にはコビトおまけガムのものが混入しているかもしれない。
(写真は北名古屋市歴史民俗資料館・昭和日常博物館で展示されていた当時のパッケージ)
鉄道車両




























汽車の場合、機関車や客車がばらばらに1個だけ入っている。それらをつなぎ合わすとこんなおとぎ列車になった!そういえば、デパートの屋上遊園地にもこういうノリの「豆汽車」なるアトラクションがあった。ゲージ(線路幅)が381mm(15インチ)ぐらいで、デパートの屋上をぐるりと一周するのだ。メルヘンチックな造詣がそんな幼年時代の記憶を呼び覚ましてしまう逸品だ。

クルマ

























実車の1/120スケールぐらいの大きさの1971年式クジラクラウン。フロントグリルのプロポーションは何か怪しいし、精密スケールモデルでは決してないけど、誰がどう見ても1971年式のクジラクラウンである。実車はクラウン史上ほぼ唯一の紡錘型デザインで、ラジエーターグリルが小さくすぼまったところから、空気取り入れがうまくいかず、夏場にオーバーヒートをよく起こしたとか、官公庁や警察などお堅いユーザーが多いクルマなのにデザインが奇抜ではないかなどとひんしゅくを買い、販売数でセドリックに負けてしまったクラウン史上1,2を争う不人気車だった。
ぱっとみてそのクジラクラウンだと特定できるところが凄いが、それにしても屋根の上の円筒形の物体は何なのかな!?上には十字マークなんか付いちゃっているし。
謎だ…。
パトカー
子供のころに一番お気に入りだったグリコのおもちゃで別に仕舞っておいたところ、大掃除のとき捨てられずに済んだ。窓ガラスを付けたくて文房具屋で勝ったセメダインCで窓に膜を張り、暗い所でヘッドライトが光るよう、駄菓子屋で買った夜光塗料をヘッドライト部分に塗っていた。コレクションの原則から行くと価値が下がるのでやってはいけない行動だが、子供のときはディティールアップ成功!と友達に見せびらかしていた。我ながらちょっとおバカだったか…。
ホンダ1300クーペ
オークションで入手したおもちゃだが、フロントマスクをよく見るとしっかりホンダ1300クーペになっている。グリコのおもちゃのクルマが侮りがたいところはぱっと見て車種が分かってしまう雰囲気満点のものが多いことだ。左のパトカーとこのホンダ1300クーペはたぶん1970年代初頭のものだろう。車体が3cmぐらいで割と大きく、プロポーションがしっかりしている。1950年代のブリキのオート三輪は大変に人気があるときくが、この70年代のクルマも負けずに素晴らしい出来だと思う。
グロリア風2ドアセダン
ぱっと見ると鉢巻きプリンスグロリアみたいだが、2ドアセダン。一時期のBMWにも見える…。
縦目セドリック風味の4ドアセダン
フロントグリルをよく見るとヘッドライトを縦に2つずつ並べた4灯式。縦目セドリックっぽい。
マツダキャロル
ディティールこそ荒っぽいがクリフカットで軽自動車!一目でマツダキャロルと分かる。
ジープ
三菱ジープかウイリスジープか…とにかく一目でジープだと分かる仕上がりだ。
ロードスター
1940年代のクラシックなロードスター。もしかして1937年式コード フロントドライブ モデル812だろうか!?
ジャガー・XK120風ロードスター
なんとなく1948年式ジャガー・XK120に似たロードスター。
軽トラック
フロントマスクは異なるが、荷台の感じは初代スバルサンバートラックの感じがする雰囲気だ。
1960年式トヨペットコロナラインバン
ライトバンのおまけミニカーなのだが、よく見るとフロントマスクや全体的なプロポーションが1960年式コロナラインバンに見える。
トラクター
黄色いトラクター。同じデザインで赤、青、緑、ピンクがあって全部そろえたら、農業戦隊・オーガニックレンジャー!とか言って遊べるかな!?
トレーラーとダンプトラック
同じトラックヘッドを使ってセミトレイラ―とダンプトラックに作り分けている。グリコのおもちゃについての文献を見るとこのほかにコンテナトレーラーなんてバージョンもあったようだ。ミニカーでも同じキャブで荷台だけ色々なバリエーションを作るパターンはよくある。
航空機
透明プラのプロペラ機
ずんぐりした姿から零戦の餌食となったF2Aバッファローみたいに見える。素材は透明プラ。
十八試局地戦闘機震電
太平洋戦争中の試作戦闘機で試験飛行中のエンジントラブルで三菱重工に連絡を取っている間に終戦を迎えてしまったという「震電」という戦闘機に似ているが主翼には何故か★マーク。
木製ヘリコプター
プラ製おもちゃが普及する前の昭和30年代初頭の木製おまけのようだ。シンプルな姿が、平成時代初頭のグリコ「木のおもちゃ」シリーズのお手本になったかもしれない。
植木の花
女の子のおままごとにつきあったときもらったんだと思う。
これだけは女の子用のグリコに入っているおまけだ。
ピンク色の6枚花びらが愛らしい。
アマリリスか、ユリか…。ヒガンバナ科かユリ科の鉢植えの花という感じだ。
男子の私には縁がなかったが、この植木の花、シリーズになっていて、チューリップやなでしこや菊など色々なバージョンがあったらしい。
そういえば、東京の下町って、こういう鉢植えを一杯玄関に置いているなぁ…。